新潟県岡市

地方公共団体名:
新潟県長岡市

課題プロジェクト名:
データを活用した地下水の節水対策

背景

長岡市では、降雪時に雪を溶かすために、暖かい地下水を利用する消雪パイプを冬場に活用している。消雪パイプは長岡が発祥の地で比較的気温の高い北陸、東北、山陰の平野部などで普及している。スコップなどによる除雪作業より効果的であり、住民には重用されている。
市内には約2万5千本の消雪パイプが設置されている。基本的に民間の所有物であり、管理組合等によって運用されている。
各家庭や企業が有する消雪パイプの操作は自動制御されており、雪が降るとセンサーが感知し、井戸から水をくみ上げて放水を始める。

課題

現状、降雪時に過剰に消雪パイプによる融雪が行われるため、地下水の水位が下がり地盤沈下等が生じることを懸念している。市では市民に地下水節水の意識を持ってもらいたいと考えている。
過去に市で実施した調査によると現状の4割程度は無駄使いとの認識である。うち、1割程度は意図せぬ消雪パイプからの出水が起因している。
市の地下水位観測用の井戸には観測機器が入っており、観測データをFOMA電波で担当課のパソコンに自動送信され自動的にソートされる。専用ソフトを使いCSV形式で出力しWEB掲載用にグラフ化するのは人手のかかる作業となっている。この作業に約1日かかっているのが現状であり、取得情報にリアルタイム性がない。
現状、冬期には市のホームページで地下水位の状態を手作業で毎日更新しているが、市民の反応が判らない。
特に、大規模な駐車場を持つ郊外の大型商用施設等の地下水の大量使用が課題である。こうした地下水を沢山使うところには市から節水について直接指導しているが、その効果を把握できずにいる。

自治体が求める解決策(実現したい未来)

「洗濯指数」のように直感に訴えるような形で、地下水の観測データがリアルタイムに可視化される解決策(例えば「地下水指数」など)が欲しい。(※現状では指数の定義になるようなものはない)
さらには、過去との比較等で現状や予測を市民に伝えられるような仕組みを構築し、パトロールやホームページ等を用いて啓発していきたい。また、降雪予報と連動し、市民に「地下水指数」の予報ができれば尚よい。
これらを通して、市民の自律的な行動・社会問題への参加を促す仕組みを構築したい。

付加的・発展的な要素

国や県が有する消雪パイプの稼働時間はベンチマークになり得る。民間所有の消雪パイプは行政のものに比べ過剰利用が多い傾向にあるため、稼働時間を比較提示することにより、啓発活動へ繋げることが考えられる。

想定する実証実験内容

実証期間中に地下水利用に関するアンケート調査を実施する。「地下水指数」等のICTを用いた啓発活動による市民や大型施設の節水へ対する認識の変化などについて確認し、どのような周知方法が効果的か検証する。

求めるベンチャー企業像

  • ・センサーから取得した情報をリアルタイムかつ直感的に分かる指数などによって広く伝えられる技術を有する企業(尚可)
  • ・地下水の過去データを分析できること。
  • ・市民への広報のためのICT技術を有すること。

提供可能なデータ・環境等

国立研究開発法人防災科学技術研究所のブランチである雪氷防災研究センターが長岡市に所在。消雪パイプのセンサーからデータを取る実験をしており、これらのデータの提供について交渉することが可能である。
実証期間中に地下水使用実績のアンケート調査を行うことは可能である。大型店舗に対してはFAXで、また個人にはパトロール時に対面で回答取得する方法もある。スタートアップ企業がパトロールに同行して状況確認を行うことも可能である。

本プログラム終了後の本格導入(時期・予算等)

予算次第では、平成31年度以降の導入も可能。

その他特記事項

消雪パイプを設置する地域では同様の問題を抱えているため、今後北陸、東北、山陰等への横展開が期待できる。他の自治体や企業に対する導入成果を訴求できる可能性がある。